Category Archive: お知らせ

仔羊のタプナード付け焼き

 私の実家、愛知県民はちと変わった食文化を持っとりまして・・・例えば、私が上京した折、はじめておしゃれなカフェでコーヒーを頼んだところ、もちろんコーヒーが運ばれて参りました。私には疑問で疑問でしょうがありません。なぜか・・・コーヒーを頼むと柿の種や、午前中ならばトーストやサラダがコーヒー一つで付いてくるんです!!なので、若かりし荻野少年は、東京のオシャレカフェーで、”これだけですか?”と、これまたオシャレーなカワイー店員さんに聞いて赤っ恥をかいたのでした。そんな変わり者愛知県民の大好物が”八丁味噌”です。野菜や魚、肉なんでもかんでもコイツです。
 プロヴァンスの人たちにも”八丁味噌な”なんでもソースが存在します。”タプナード”といいまして、黒オリーブやアンチョビ、にんにくなんかをすりつぶしたペースト状のものでして、野菜やら魚やらなんでもかんでもつければ南仏料理になっちゃいます。今回は子羊に塗りたくってオーブンでこんがりと焼きまして、焼き野菜とどうぞ!
 子羊の脂をしっかりと焼いてタプナードを塗るのが”ミソ”なんです。
 

~白桃の巻き~

 やっと最近になって白桃が値段を下げてきて、私の手の届くお値段になって参りました。
 白桃は上品な香りが身上。なもんで余計な小細工はいりません。シンプルに白ワインで煮ました。
 料理人が考えるデザートは料理を考えるのと似てまして、まずは素材、そしてそれに合わせるソース。付け合せ。と言うことで厳密なレシピはございません。
なもんでいつも担当の藤本君を困らせます。”だいたいコレはこれくらいで、これはこんな味で、こんな状態で。”などといいかげんな説明しかできず、イカンと思いつつ、そんなノリでしかお料理もデザートも作れません。でも毎回フルーツの状態も違いますし、硬かったら長めに火を入れたり、暑くなったら少し酸味を利かせたりとそんなのも人間らしくていいかな~と自分に言い訳して許してもらっております。
 夏と言えばバジルが爽やかで白桃にもよく合います。煮汁に果肉も少し加えてミキサーで回し、バジルやミント、レモン汁なんかを加え、緑色のネクターみたいなさわやかソースでキンキンに冷やした白桃を召し上がって頂きます。コク付けにオリーブオイルをひとたらし、夏らしいレストランならではのデザートに仕上がりました。

長野の食材達 ~あんずの巻~

 休みを利用しまして、長野に行きました。カミサンの実家があります。
 旨い蕎麦食べて、うまい空気を吸って、家族と話してリフレッシュしました。
 道端のセロリ畑やソバ畑などなど、なかなか見られない風景に感動しながら野菜やらお花やらの直売所に連れて行ってくれまして、見たことも無いような野菜やら、安すぎる果物やらをテンションアゲアゲで車一杯に買い込み、帰り道で新しいメニューを考えながら桑田さんの曲と共に帰って参りました。
 長野は冷涼な気候で、野菜や果物の栽培が盛んです。今の時期ですと、杏です。これからは朝採りブルーベリーもいいそうです。
杏を大量に買い込み、今まさにコンポートにしました。非常に上品です。酸味もしっかり、香りも豊かで、余計なことをせずとも充分においしい素材です。なので、シンプルに杏を召し上がって頂きたく、コンポートしただけの自然な酸味の杏にバニラで炊いた甘いお米のリゾットを付け合せます。
 ひとつのお皿に対照的なもの(冷&熱や酸&甘)を組み合わせるのが大好きで、レストランならではのデザートをご提案できればと思います。
 
 

オモロー!な食材入荷中!!

 何かと言いますと、北海道の野生のキジバトです。通称”サマージビエ”と言います。
サマーにジビエ?そうなんです。
 今だけらしく、数も非常に少ない入荷です。なもんで、メニューには載せておりません。このお知らせをご覧の方、早い者勝ちということで・・・すいません。
何か、類は友を呼ぶと言いましょうか、当店には、他にもオモロー!!な食材が自然と集まってくるようです。業者さんも”あいつのとこに持ってってやろう”と珍しい食材たちが冷蔵庫で出番を待っております。ちょっとここに書くのも憚るマニアックなものもございます。詳しくお知りになりたい方はご来店の際に服部マネージャーに”なんかオモロー!なモンあんの?”とお聞きくださいませ。
 ちなみにまだ料理してませんが、スゴイの入りました。蜂蜜が大好きな、アレです。アレ・・・

うさぎの腿肉のデュクセル詰め

 またまた、ウサギの登場です。前回は柔らかく脂の中で煮込んだ”コンフィー”でした。それはそれでおいしいものでありますが、今回は、しっとりとじっくりと神経を集中して、鍋で焼きました。
 モモの骨を抜きまして、そこにデュクセルというマッシュルームのペースト状のものを詰め込み、コクをプラスします。もともと脂の無いお肉でして、そのまま焼くと表面がカチカチ、パサパサになってしまいます。そこで焼く時だけ、網脂というレース状の脂で巻き込み、低温でゆっくりと焼いてやります。
 ジューシーに焼けたウサギは本当にビックリするほどのおいしさです。
 ソースは淡白なお肉に合わせて、ウサギの出し汁を煮詰めたものに、クリームと夏らしいバジルをたっぷり使ったコクのあるソースです。
 食欲の落ちるこれからの季節、なんとかおもしろいことでお客様を楽しませられないかと頭をひねっております。余談ですが、うちのマネージャーの服部さんに3の倍数と3のつく数字を言うとしっかりボケるように只今、特訓中です。試しに言ってみると、ボケてくれるかも・・・

自家製地鶏の生ハムと白桃のサラダ

 最近スーパーで、ちらほら桃が顔を出しているのを見かけます。上品で香りがよくって甘くって、これからサイコーです。
イタリア料理で”生ハムメロン”ってありますよね。私も大好きです。ジューシーなメロンに塩気の効いたハムはもう夢心地であります。
そのままではおもしろくないので、この白桃の出番であります。やさしい白桃に合わせるのは、うまみの濃い地鶏の胸肉を塩漬けにして乾燥させた鶏の生ハムであります。それだけじゃつまらないので少し硬めに茹でたインゲンと、桃と相性のいい甘口のワイン、”ミュスカ”のゼリーです。
 アクセントにミントを刻んで混ぜた、初夏にふさわしい涼しげな一品になりました。
 食欲の落ちるこれから、前菜をさっぱりと召し上がって頂き、メインに子羊をガツンってのもいいんでは・・・多分・・・

仔羊鞍下肉の岩塩包み焼き

 わたくしのスペシャリテ、”仔羊の瞬間燻製ロースト”を召し上がって頂いた方も多いと思います。いかがなモンでしたでしょうか?
これから暑くなりますもんで、燻製は暑苦しいかなと思いまして・・・っということで!!封印します!!
変わりに!岩塩包み焼きであります!
エ・・・?まだ暑苦しい・・?お許しください。
鞍下肉は”鞍”の”下”、つまりロースの後ろの方のぶっとい赤身です。脂はキレイに掃除しましたもんで全くございません。なので非常にあっさりです。ハーブとオリーブオイルでマリネしといたお肉をさらにハーブを混ぜた緑色の岩塩で包んで、オーブンだけで焼き上げます。しかしながら、フライパンで焼くのと違って固まった岩塩を開けてみるまで焼き加減が全くわかりませぬ。もう頼れるのは”勘”だけであります。心臓止まりそうになります。
しかしながら、塩につつまれ、間接的に加熱され、ロゼ(ばら色)に焼けたお肉はフライパンで香ばしく焼くのとは、ちとニュアンスが違いまして、ヒジョーにしっとりとしております。
うちのマネージャー、服部さんの大好きなラブジュース(肉汁)たっぷりです。
お肉をダイレクトに味わって頂きたいので、ソースは骨から出たさらっとした出汁を軽く味付けしてお出しいます。

仔豚の頭の煮込み

 ゼリー寄せ、シュークルートに続く仔豚料理第3弾です。リヨンの郷土料理に”テット・ド・ヴォー”どいう仔牛の頭を煮込んで、グリビッシュというケイパーやゆで卵なんかが入ったドレッシングで食べるお料理があるんですが、仔牛の頭は何かと問題がありまして、手に入りません。なもんで仔牛を仔豚に変えてやってみました。
 調理場でいつも通り”頭解体ショー”です。顔の皮を剥ぎ、骨を真っ二つにカチ割り、脳みそと舌を取り出します。ウチのオカンが見たら、絶叫モンです。
 もともと臭みのないものなんで、たっぷりと香味野菜と煮込んでやりますと、豚とは思えないほどのおいしいブイヨンが取れ、お肉自体もコラーゲンたっぷり、プリプリに仕上がります。そいつに仕上げにマスタードや、ケイパーなんかでサッパリと味付けいたしますと、本当に今までにはなかなかない夏向きの酸味の利いた煮込み料理に仕上がりました。スープが本当にうまいです。ご賞味あれ!!

メタボロノミー

 ”メタボリック”なんてことが言われるようになり、最近のレストラン事情としましては、お料理が軽く軽くなっております。いいことだと思います。当店でも春夏はサッパリとしたお料理が好まれるようであります。
 しか~し!!たまにはしっかり味のお料理が恋しくなること、ありませんか?私だけでしょうか?ちなみに昨日、某レストランで前菜にフォアグラをガッツリ、スープ・ド・ポワソンをガブガブ、メインに豚足のフォアグラ詰めをぺロリ、デザートに漫画のような生クリームが山盛り載ったチェリーのパフェを頂きました。もちろんたま~になんですが、無性にハイカロリーを摂取したくなります。
 そんな誘惑に駆られるのは私だけじゃないはずです!!多分・・・
というわけでハイカロリーメニューがあってもいいじゃない?分厚く切ったフォアグラを豪快にロースト、下にはたっぷりのマデラ酒で煮込んだインゲン豆です。
口の中で溶けて消えてしまう上品な厚さじゃございません。ナイフで切ってください!おもいっきり噛んでください!ゴックンしてもまだ皿にはいます!
そんな”当分フォアグラ見たくね~”ぐらいの気合いで召し上がってください。
 メタボロノミーなビストロノミー目指して頑張ります。

ベルベーヌのクレーム・ブリュレ

 ベルベーヌはハーブティーにすると、とってもおいしいハーブです。効能は・・・忘れました。さわやかな香りが気持ちいい私の大好きなハーブです。
このベルベーヌをクリームと牛乳で煮出し、蒸らしてしっかり香りを抽出し、卵黄と合わせてオーブンでじっくり湯煎焼き、仕上げにご存知、砂糖を表面に振ってバーナーで焼き目を付けます。
”これでもか!こらー!”と、たっぷり葉っぱを使ったので、食べた瞬間、さわやかな味と香りが広がります。
 もちろんお茶として食後に飲んでもおいしいのですが、こうしてデザートとしても充分威力を発揮するすばらしいハーブです。